(注2):マスター・オブ・ワイン
ワイン業界最高峰資格『マスター・オブ・ワイン』を取得するには、
一生涯を捧げる覚悟が必要なほど、気の遠くなる困難を極めます。
合格者は全世界で現在250名ほどしかおらず、合格率は13%程度。
数字だけを見れば単純にそれ程難しく感じないかも知れませんが、
実際の本試験にたどりつくのが至難の業なんです。
皆さんがご存知の「ソムリエ」はレストランなどでワインを選択する
際にサポートをしてくれる人。このソムリエの資格を取得するには、
ワインそのものに関する知識が必要なだけではなく、世界情勢や歴史
的背景、法律、衛生法、料理に至るまで広範囲にわたる知識が要求さ
れます。しかし彼等以上の高い知識を要求される、ワイン業界で最高
水準の資格が、この『マスター・オブ・ワイン』です。
この資格はイギリスで1953年に発足した、ワインに携る職業の人に
とって最高峰の資格です。取得者の多くは主にヨーロッパのワイン
ビジネスの主要人物で、残念ながら未だ日本人の資格保有者はいま
せん。合格者はイギリス人が殆ど、次いで米国、オーストラリア、
ニュージーランド、英国以外の欧州各国と続きます。
さて、資格を取得する為には当然試験を受けなければならないので
すが、誰もが簡単に受験できるというものではありません。本試験
を受験する為のいばらのごとき長い行程を進んだ者だけが、本試験
に臨むことが許されるという、実に厳しい試験です。
葡萄栽培学から醸造学、品質管理、マーケティング、ワインビジネス、
現代ワイン事情などなど、ワイン生産の知識はもちろん、ワインビジ
ネスに至るまでさまざまな能力が必要となります。2年に渡る教育セ
ミナー、たび重なるワイン理論エッセイの提出、ワインテイスティン
グ試験を3年以内にパスしなければいけないという、超難問の試験な
のです。チャレンジする為の時間と労力、資金が見出せない程の厳し
い資格といえます。
ワイン・ジャーナリストのジャンシス・ロビンソン女史や、オークショ
ンハウス「サザビーズ」のセレナ・サトクリフ氏ら、主に英国のトッ
プクラスのワイン業界人がこの資格を保有しています。フランスでは
アルザスのドメーヌ・ツィント・ウンブレヒトのオリビエ・ウンブレ
ヒト氏ただ一人だそうです。
マスター・オブ・ワインの称号を与えられる初の日本人が登場するの
は、いつになるでしょうか? いま最もマスター・オブ・ワインに近
い日本人、沼田さんがこのワイン業界最高峰資格を取得する日はそう
遠い先のことではないでしょう!!
|