2024.02 ドメーヌ・マス・ラヴァルを訪問
京橋ワインの創業以来、私たちは少しずつ直輸入の品数を増やしてきました。
自分たちの目利き力を信じ、これぞという蔵元に交渉し、そのワインが紡ぎ出す物語を直接お客様にお届けするためです。
今ではその数300を超え、一つ一つが京橋ワインを支える大切なパートナーです。
その中でも京橋ワインの看板生産者といえるドメーヌ・マス・ラヴァルを2024年2月に訪問してきました。
当社のスタッフが蔵元を訪ねるのは約10年ぶり(2024年時点で)のことです。
ドメーヌ・マス・ラヴァルについて
マス・ラヴァルについて少々おさらいしますと、南フランス、ラングドック地方にあるアニアーヌ村に先祖から引き継いだ畑とワイナリーを所有する家族経営のワイナリーで、京橋ワインとのお取引は12年にわたります。
アニアーヌは年間日照300日以上に恵まれ、土地の隆起や地質学の面からもブルゴーニュの特級畑以上とも言われ、超有名なドメーヌ・マス・ド・ドマ・ガサクもこの地でワイン造りを展開。高級ワインを生み出すポテンシャルを秘める村として世界に名をはせています。そしてなんと我らがマス・ラヴァルはその特級生産者ドマ・ガサックの畑の真隣に自社畑を有しているのです。
アルブサス山麓に囲まれたこの土地は複雑な地質構造を持ち、多様な土壌タイプが存在し、ワインに個性をもたらします。
また南仏特有のガリッグと呼ばれる植物の生態系により、タイムやローズマリー、ラベンダーやセージなどの様々なハーブに囲まれ、そこから生物多様性の高い生態系を維持しており、アアグロフォレストリープロジェクトの実践により土壌の改善、生物多様性の保全に努めています。有機認証を取得していることは言うまでもありません。
醸造設備や畑を見学
訪問した日は現当主のジョエルさん、クリスティーヌさんご夫妻と、その息子で次世代を担うジョフリーさんが迎えてくれました。
まずは醸造設備の見学をし、その後熟成中のワインをタンクや樽から直接試飲するという貴重な体験をしながら、熟成の過程、ブレンドに対する考え方をしっかりと学びます。
そして畑に移動するといかにこの地のテロワールが素晴らしいかを語り、愛おしそうにブドウの樹や土壌に触れるジョエルさん。
この日もアルブサスから吹きつけるやや強めの風が大地を走り抜け、ブドウを病害から守ってくれるのだと実感し、樹齢30年以上の古木たちに思わず「今年も頑張ってね」と声をかけてしまうほどに私自身も思いが熱くなってしまいました。
貴重な試飲タイム
そして最後はお待ちかねの試飲です。
日本には未輸入のグラン・キュヴェの白ワインで乾杯をすると、ジョフリーさんがグラン・キュヴェのバックヴィンテージ2014年をデキャンタージュ。
皆で堪能する中で思わずジョエルさんもこのどや顔を披露してくれました。
日本のお客様への特別な想い
わずか1000本の委託醸造からスタートしたドメーヌも、今では12万本を生産する中規模のワイナリーにまで成長。
特に国内外で引く手あまたのグラン・キュヴェは生産量わずか2万本のところ、京橋ワインへの割り当てはその半分以上。新規取引をお断りしても日本のお客様が長年愛してくださっている、日本のお客様に届けたいというお話を聞くと、我々スタッフも身が引き締まる思いがいたします。
素敵なお人柄をご紹介!
ジョエルさんの趣味は登山で、今の夢はグラン・キュヴェとともに富士山に登り、頂上で写真を撮ることだそう。
「今年の夏には行きたいな」と語るジョエルさんと、「私はその麓の温泉でゆっくりするわ」とあきれ顔でジョエルさんを見つめるクリスティーヌさん。
日本での再会が待ち遠しいです。